先生。
聞こえたのは、司の声。
電話越しでも、司の呆れた顔が浮かぶ。
「卒業式に出たら、思い出も全部終わっちゃうじゃん?」
『だけど卒業式だぞ?』
「そうだけどさあー」
すごく迷った。
それでも、教室に入ったら、準備室を見たら……心が苦しいって叫ぶの。
「それでもいいの。司は卒業しても親友でいてくれるでしょ」
『んー、まあいてやるけどさ』
「これは私の最後の悪あがき」
『最後って…』
「…先生のかけた呪いは強すぎて、抜け出すのに時間かかりそうだけどさっ」
私の乾いた笑い声はあまりにも虚しかった。
「潤」
「んー?」
「いいか?俺の話ちゃんと聞け、…っ、……」