先生。


包帯を巻きながら、そう言う先生は私を見ていない。



期待した自分が馬鹿だ。


…本当に本当に大バカだ。





「よし、できた」


「ありがとう…」





足の傷なんかより、私は心の方がよっぽど痛い。


痛くて、耐えれなくて、どうにかなっちゃいそうなのに。



先生が包帯とか救急箱を直している間に、私は医務室を後にした。


出るとすぐ、ドアの横の壁にもたれて立っている司がいて。





「大丈夫?歩けんの?」


「だい…「大丈夫だから、お前は戻れ」





私を心配してくれている司に、先生の当たりは相変わらずキツい。





「もうみんな食堂いるし、連れて行きますよ」


「聞こえなかった?大丈夫って言ったんだけど」





ねえ。


司もわかるでしょ?



先生って、その気もないのにすっごく思わせぶりなんだよ。

< 55 / 399 >

この作品をシェア

pagetop