先生。


私の上に乗る男にイライラして、そう言い返したその時。


玄関が開いて、仕事帰りの譲先生がリビングに入ってきた。



タイミング最悪…





「譲…これは…!」


「黙って今すぐ離れろ」





そう言って、先生は着ていた上着を脱いで私に投げた。



私は、この男より先生の方が嫌いだ。


そうやって優しい自分に浸ってんでしょ。



そういうの、偽善者っていうんだよ。


それなら汚くても、自分に正直なこの男の方がまだマシだと思わない?





「あーあ、邪魔されちゃったね?」


「マジで金返しにきただけだから!」





私が嫌味っぽく甲高い声でそういうと、男は尻尾を巻いて出て行った。


男が出て行けば、当然この部屋には先生と2人。

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