星の向こうできみを待っている。



「じゃん!」


セルフ効果音とともに取り出したのは、傷一つない白いスマホ。



本当はね、高校の入学式に合わせて買ってあったんだって。だけど、入院生活が続き、学校も辞め友達のいないあたしは必要性を感じてこなかった。だから、買ってあることさえも知らなかったの。



まだ、家族と病院の連絡先しか登録されていない寂しいスマホ。

颯斗に会った時、連絡先訊こうと思ってたんだよね。




「ナイス」




顔を赤くしたまま、ニカッて颯斗が笑った。

笑うと見える八重歯。

それさえも、かっこよく思えた。
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