恋する剣士
真っ先に明に駆け寄ったのは、近藤だった


「大丈夫かい!?怪我は!?どこが痛む!?」


その心配する様子に、明だけではない
全員が絶句した


「ちょっと… 蹴られただけだから…」


明が、ぼそっと言うが


「すまなかったね
もう、大丈夫!!!さぁ、帰って手当てをしよう!!!」


「は?そんなのいらな…」


言い終わる前に近藤の手が明の肩を抱いた


「帰ろう!!!」


近藤の号令で、帰路につく


その強引さに、圧倒されつつ
途中、小首を傾げながらも浪士組まで行く



通された部屋に、治療の支度をして待つ山崎がいた


「貼り薬をしよう!着物を脱げ!」


永倉が止める前に、ガバッと開かれる
明は、それを制止するでもなく山崎を見る


「//////////」

物凄い勢いで赤くなる山崎に

「医術を学んでいるクセに、女の体も見たことないの?
自分で貼る」

山崎から薬を奪う


男に囲まれて、恥ずかしがることもなく
平然としている明だが、蹴られたのが横腹で
貼ろうとすると身がよじれる


「貸せ」


永倉が、薬を取り上げ貼る


「ありがとう 新八君」

「明 人前で着物脱ぐの辞めろ」

「烝君が脱がせた」

「止めろよ!」

「襲われる可能性があれば、止めるよ」



胸は、サラシで隠しているものの
体を見られることに抵抗を感じていない明


着物を整えて永倉に視線をやる


「名前、知ってたんだね?」





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