恋する剣士
*   *   *


良く晴れた夏空を仰ぎ見ながら

「面倒くせぇ」 永倉が呟いた


会津藩からの要請で、捕り物に参加しているが
どこの誰を捕まえるのやら
何も知らされていない浪士組は、とりあえず試衛館からの近藤派と芹沢鴨率いる、芹沢派で二手に分かれている


「気を抜くな!」


土方に注意され、再び辺りに警戒する
浪士組と会津藩が総動員しているとあって、町の人々は恐れ店じまいをしている



ヒョコッ


近藤派の前に、明とヒョロリと背の高い男…桂小五郎が現れた

近藤派に緊張がはしる


「アキラから、君たちの事は聞いた
世話になったそうで… ありがとう」


突然礼を言う桂に面食らう


「小五郎君!もういいでしょ!先に行って!」


桂がひらりと屋根に上がる


スタスタと歩き、姿が見えなくなった頃


「見つけたぞ!!!」


明が会津藩士に見つかった



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