恋する剣士
ぞろぞろと集まってくる会津藩士らを桂が相手をしている間に明が屋根に上がる

「小五郎君」


明が呼ぶと桂がケムリ玉を投げた



視界を奪われている間に2人は逃げた




だいぶ離れた場所で
2人を追ってきた山崎が姿が現す



「烝君、さすがだね」

「仕事やさかいな」

「君の貼り薬は、よく効いたそうだ
ありがとう」

「礼を言いにきたんか?」

「小五郎君が、皆に御礼を言いたいって言うから
こんな騒ぎになって…」

「はぁ?」

「心配しているだろうと思ってね
アキラがこちらで大切にしているとわかれば
安心だろう?」

「……アホちゃう?」

「そう思われても、君達に会えたことは
俺にとって、意味のあることだ
近藤に伝えて貰いたい
アキラと浪士組との関わりは、拒まないが
会津は、駄目だ
アキラを会津に渡さないよう、協力して欲しい」


「わかった」


「烝君、またね」





桂と明が走り去る背中を見送り



逃がしたことを怒られるだろうかと苦笑いした











< 25 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop