恋する剣士
浪士組屯所、土方の部屋にいつも通り
幹部達が集まった


山崎からの報告を聞き


土方が腕組みをして、う~んと唸った



会津藩は、浪士組にとっては、上司

敵のようで敵でない、明の立場に困っていた



「明は、女の子ですし
いくら土方さんが欲しいと言っても
浪士組には、入れられないでしょう」


沖田が冷ややかに言えば


「明は、女だが

強い!

強いはずなんだ…」


「総司、土方君が悩んでいるのは
明の行動の意味だよ
敵ならば、縄をかけられまいと抵抗するだろ?
桂が戻って来なければ、無抵抗のまま
会津に連れて行かれた」

「明は、強えよ
神道無念流の道場で、明に敵う奴はいなかった」


「へぇ-、そんなに?
手合わせしてみたいな…」



話をしていると
廊下をバタバタ走る音

土方の額に筋が浮かび上がる


「うるせぇーんだよっ!!!」


「ひっ! すっ、すみませんっ!!!
あ、大変なんです!!芹沢局長がっ!!!」


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