恋する剣士
芹沢派と近藤派が、ぎくしゃくしたまま

新選組として、初めての宴




芹沢の振る舞いに、女たちが怯え
酌を拒んだ



それに激高した芹沢が、持っていた鉄扇を振り上げた



「やめろ!!! 芹沢さん!!!」

近藤が止めに入るが

「命を貰わぬ限り、許すことは出来ぬ!!!
新選組筆頭局長である俺に、恥をかかせたのだ!!!」


芹沢の怒りは、おさまらず大声が響き渡る


「番頭はん呼んできます!!!」




宴どころではない大騒ぎになってしまった





引くに引けない芹沢を落ち着かせる為に
土方が立ち上がった

女の長い髪の結び目の上をザクリと切り落とした


「きゃあー!!!髪が… 酷い… うっうわぁぁ!!!」


女が派手に泣き崩れる


「命とりゃあいいんだろ?」


芹沢が目を細め、口角を上げた


「…髪は、女の命か、まぁ、いいだろう」


芹沢は、落ち着いた
土方は、女に目をやる



ーーーさて、こいつはどぉすっかなぁ…









< 28 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop