恋する剣士
芹沢は、近藤派の話を嫌な顔をせず聞いた


皆からの意見を聞き終え、優しく微笑むと


「お前ら、良い顔をするようになったな

ひとつ
俺からも、言わせて貰おう

良い評判、手柄、そんな物は、いくらでも手にできる
其方達ならな

だが、新選組がお膳立ての使いぱしりであってはならぬ

例え、上司であろうとも
煙たがられようとも

手に入れたものは、新選組の手から放してはならぬ

この仲間も、離れてはならぬ


良い組になるぞ! 新選組は、日の本一の組になる!」




機嫌良く、酒を煽り




芹沢は、一足先に屯所へ






「芹沢さんって…
わざと悪者してたのかな」


藤堂が申し訳なさそうに呟いた




「改心してくれそうで良かったな!」


喜ぶ原田と反対に

山南は、暗い表情を浮かべる



「だと、良いですが…」


「あぁ」



土方の表情も浮かなかった











2人は、その理由を口にはしなかった












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