恋する剣士

静かな部屋に玄関の方からの声が聞こえた



「はぁ～面倒くさい
小五郎君、会津の人だよ」


「隠れて貰おう」



土方が押し入れを指差した


「小五郎君、隠れて」


桂が隠れてすぐ



「土方ーー！！！
なんだ！？あの、無礼な門番は！？」



すんなり通したことを怒られた後だった為に
足止めをされたのだ


スパー－ーンッ


開けられた襖に手をかけたまま

「アキラ！！！」

後ろ姿で明を認識して、ずかずかと部屋に入り
明の胸ぐらを摑むと押し入れにダンッと背中を押しつけた

「てめぇー！！！　何で帰って来ねぇんだよ！！！
長州に下ったのか！？あ！？ふざけんなよ…
あんなに容保様に可愛がられて、恩を忘れたか！？」


明は、表情も変えず、黙っていたが



「只三郎君…　うるさい」


あまりの声の大きさに、煙たがる表情を浮かべた