君の残り時間を僕にください
5年前、彼女と出会った。

看護師6年目に入り
彼女は常に忙しそうだった。



「よろしくお願いします」


彼女の笑顔に、この頃から僕は
心を奪われていたのかもしれない。



レントゲン技師として働いていた僕は
彼女の働く病棟によく出入りしていた。



ポータブルといって、動けない患者の
ベッドサイドに行ってレントゲンを撮るのだ。



病棟はとてもバタバタしていて
どんなに重症患者でも管が繋がれてても
レントゲンに立ち会ってくれる看護師は
まずいない。




でも彼女は違った。




毎回、体の向きを変えたり
板のセットを手伝ってくれていた。



< 2 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop