先生はめんどくさがり。


「で?」


「え?」


「食べさせてくれるんじゃないの?」





って。





「それはどう言う…」





そんなことしたら、私手震えて目も泳いで、心臓も爆発して、それで…





「こういうこと」





先生は袋からトリュフを取り出すと、私の口に放り込んだ。



少し苦いチョコレートが、口の中に広がったあとその上からは、お菓子以上に甘いキスが降ってくる。



後頭部を抑えられて、予想外のことに、私はされるがまま。


トリュフが口に入っているせいで、開いた隙間からは先生の舌が入ってくる。



頭おかしくなりそう…



お互いの熱で溶けていくトリュフの味なんて、もうわからない。

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