先生はめんどくさがり。


「いいじゃん。俺のだし」


「そうだけど!」


「つか早く朝飯作ってよ。遅れる」


「え?今日もお仕事?」





うがいをしてタオルを口に当てる先生は、何も言わずに頷く。



土曜日なのに…


休みと思ってたのに!



明らかにシュンと縮こまる私に、先生は笑って目線を合わせた。





「な…なに」


「可愛いなって思って」


「そんなこと言ってもチャラにはならない!」





そう言うと、私の頭にポンっと手を置いて。





「今日は早く帰ってくるから」





なんて、甘すぎる顔で甘い言葉を吐き出す。


だからそれに頷いて、俯くことしかできない。



抜け出せないよ…先生からは。

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