次期社長と訳あり偽装恋愛
「仕方ないなぁ。じゃあ、今度は人には見られない場所でイチャイチャしようか」
「えっ」
まさか、立花さんの口からそんな言葉が出るなんて思わず凝視してしまった。
「なに?」
目を真ん丸にしてアホ面になっているであろう私の様子に立花さんが首を傾げる。
「いえ、立花さんがそんなことを言うとは思わなかったので……」
「俺も普通の男ってことだよ。好きな子とは触れ合いたいし、イチャイチャだってしたいよ」
真顔で言われ、私は赤面してしまう。
「梨音ちゃんはホントに可愛いね。これ以上、困らせたら嫌われそうだから仕事に戻るよ」
クスッと笑い、私から離れた。
どこまでも甘い立花さんにクラクラしっぱなしだ。
「そうだ、今日も遅くなるから晩ご飯、残念だけど一緒に食べれないんだ」
立花さんは落胆したように小さくため息を吐く。
ホントに最近、忙しそうなんだよな。
「あの、無理しないでくださいね」
心なしか疲れたような表情をしているのが気になった。
あまり寝ていないのか、うっすらと目の下に隈がある。
イケメンが台無しだ。