御曹司様の求愛から逃れられません!
「……気持ちいい?真夏」

「……んっ、はぁ……気持ちいい、です……」

耳元で囁かれ、体の力が抜けていく。抵抗する力はもう残っていない。
後ろからのし掛かる絢人さんに頷いてみせると、動きを再開させる彼の吐息も聞こえてきた。

「真夏、大好き、大好きだよ……夢みたいだ」

絢人さんの悩ましい声。
こういうことをするのは初めてではないのに、私もやっと彼と気持ちが繋がった気がした。
彼の気持ちが切ないくらいに分かったので、へたりとベッドに沈み込み、それからはされるがままに身を任せ、すべてを受け入れた。

カーテンは閉めていない。窓の外の夜景にさらされているが、ここは最上階だ。あちらからは、きっと私たちのことは見えないはず。

今はもう、絢人さんのことしか考えられない。

「あっ……絢人さんっ……好きです、好きっ……」

「真夏っ……俺も、大好きだっ……」

もうどれくらい、こうして情熱的に体をぶつけ合っているのか分からなかった。時計を見る余裕もない。心も体もすっかり彼に溶けてしまっている。

繋がったふたつの体がベッドに崩れ落ちるまで、私たちはふたりだけの夜に酔いしれた。
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