御曹司様の求愛から逃れられません!
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「……体痛くない?」

やっと綺麗にベッドに並んで横になった。心地いいベッドで眠りに落ちてしまいそうになりながらも、前髪を撫でる彼に素肌のまま密着した。

「大丈夫です。……その、絢人さん、すごく上手だから……」

「はは、真夏、男の喜ばせ方を分かってるね」

「そっ……そんなことありません!」

会わずにいた空白期間のことを咎められている気がして、思わずむきになった。いや、先に“上手”などと言って咎めたのは私だけど。

お互いに口には出さないけど、卒業してから、他に恋人がいて、それなりに恋愛もしてきたのだ。そのすれ違っていた期間を今になって取り戻したくなる。

「……やっと手に入ったんだ。俺は満足だよ。でも欲を言えば、大学卒業するときにちゃんと真夏に告白して、誰にもやらずに俺のものにしておきたかったな。こんなに可愛い真夏を知ってるのは、俺だけが良かった。……あのときのことは、後悔してる」

絢人さんの目は本気だった。

私は樫木さんの言葉を思い出した。
『貴女が現れてから初めて知りましたが、志岐本部長は独占欲の塊のような人で……』
彼に求められていることを感じるたび、体の芯からうち震えてくる。寵愛される甘さに溺れてしまいそうだ。
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