御曹司様の求愛から逃れられません!
私は照れ隠しに、「ならそうしてもらって良かったのに」と言った。
すると彼はピクリと揺れて、私の目を覗き込んでくる。

「……今、何て言った?」

「え……?で、ですから、大学を卒業するときに私に告白してくれても、同じだったと思います。あの頃の私も、絢人さんとならきっとお付き合いしてました」

あの頃から絢人さんを好きだったと言ったはずなのに、彼はなぜか不満げに私を睨む。
理由が分からず首を傾げていると、絢人さんは私の上にもう一度覆い被さってきた。

「絢人さん……?」

「……俺は卒業式のとき、真夏に告白しようとしてたよ。いや、もうあそこまで言えば告白したも同然だと思ってた。それなのに、真夏があんなこと言うから、てっきり脈ないんだとばっかり……」

「え?……何のことですか?」

「お前っ……全っ然覚えてないのかよ!卒業式の日、俺に何て言ったか!」

謎は深まるばかり、と彼の腕の下で思い悩んでいると、ついに絢人さんは大きなため息をついて話し出した。

彼によると、それは絢人さんたちの卒業式の日──…
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