御曹司様の求愛から逃れられません!
──絢人さんたちの卒業式の日。
普段はアイドルのライブが行われるような大きな武道館で、それは開催された。
私たち後輩はひとつ下の代だけは一般席で式典を見て、残りは全員会場の出口にて待機、という段取り。
無事に卒業式のプログラムが終わると、出口から現れた絢人さんには、すでにたくさんの後輩たちが群がっていた。
「絢人さーん!卒業おめでとうございます!」
「絢人さん一緒に写真撮って下さい!」
たまに「ずっと好きでした!」とか「付き合ってください!」だとか、ちゃっかりした声も混じっている。
絢人さんはずっと笑顔で、「サンキューな、お前らのおかげで楽しかったよ」とどの後輩にも平等に声をかけて歩いていた。
私は少し離れた場所で、彼を見ていた。
絢人さんが卒業してしまうなんて、信じられない。彼は卒業後の進路についても、まだ誰にも明かしていない。私も知らない。
絢人さんは就職活動をいっさいしていなかった。誰かが理由を尋ねても“やらなきゃいけないことがある”と答えるばかりで、彼はこれから一体何をするのか、話してはくれなかった。
仲間内では、弁護士の勉強をするのではないかとか、起業するのではないかと噂になっていたが、謎のままが一番ワクワクできるという結論になり、皆そうして妄想を膨らませるだけとなった。
だから私も、詳しく聞かないことにしている。
普段はアイドルのライブが行われるような大きな武道館で、それは開催された。
私たち後輩はひとつ下の代だけは一般席で式典を見て、残りは全員会場の出口にて待機、という段取り。
無事に卒業式のプログラムが終わると、出口から現れた絢人さんには、すでにたくさんの後輩たちが群がっていた。
「絢人さーん!卒業おめでとうございます!」
「絢人さん一緒に写真撮って下さい!」
たまに「ずっと好きでした!」とか「付き合ってください!」だとか、ちゃっかりした声も混じっている。
絢人さんはずっと笑顔で、「サンキューな、お前らのおかげで楽しかったよ」とどの後輩にも平等に声をかけて歩いていた。
私は少し離れた場所で、彼を見ていた。
絢人さんが卒業してしまうなんて、信じられない。彼は卒業後の進路についても、まだ誰にも明かしていない。私も知らない。
絢人さんは就職活動をいっさいしていなかった。誰かが理由を尋ねても“やらなきゃいけないことがある”と答えるばかりで、彼はこれから一体何をするのか、話してはくれなかった。
仲間内では、弁護士の勉強をするのではないかとか、起業するのではないかと噂になっていたが、謎のままが一番ワクワクできるという結論になり、皆そうして妄想を膨らませるだけとなった。
だから私も、詳しく聞かないことにしている。