御曹司様の求愛から逃れられません!
───ロイヤルズホテル最上階。
スイートルーム。

「………あはは〜……そういえば言いましたね、そんなこと」

私が青くなりながら認めると、絢人さんの体が私の上でわなわなと震えていた。
ま、まずい……。怒った?

おそるおそる彼の顔を覗き込むと、怒りを通り越した満面の笑みを見せている。
ひえー!こ、怖い……。
思わず私も、涙目で同じ顔を作ってみた。

「あのねぇ真夏さん。あのとき、俺、すっげーショックだったんですけど?立ち直るのに結構時間もかかったし?……普通分かるだろ、あの状況は告白されるって」

私は身の潔白を証明するように、ブンブン首を横に符って否定した。私は断じて絢人さんをフッたわけではない!

「そんなの分かりませんでしたよ!だいたい、絢人さんが海外に行くなんて私はそのときは知りませんでしたし!ちゃんと言わなかった絢人さんだって悪いんです!」

言い返すと、彼はむきになって手首を捕まえてくる。

「でも、言おうが言うまいが、俺の海外行きは決まってた。……真夏に無理だって言われたら、そんなの、それ以上何も言えないだろ」

私に何も言わずに勝手に答えを出して……。
その頃の絢人さんに申し訳ないと思う気持ちもあったけど、私はそれ以上にムッとして、彼を睨んだ。
掴まれている中、私も手首を曲げて、彼の手の甲をつねる。
< 140 / 142 >

この作品をシェア

pagetop