御曹司様の求愛から逃れられません!
彼女のマンションは高田馬場駅から少し歩いたところにあり、女性らしい白とピンクの内装のワンルームだ。
途中のコンビニで下着類とお土産のデザートを買い、他に必要なものはいつも快く洗面用品を貸してくれる日野さんに頼るつもりでさっそく向かった。

「お疲れ!さてさて、シャワー浴びてきて、話そ」

「うん。ありがとう。お邪魔します」

シャワーを浴び、パジャマを借りて、敷いてもらった布団に横になる。
携帯電話を確認すると、予想どおり、シャワーを浴びている間に絢人さんからメッセージが来ていた。

「携帯、メッセージいっぱい来てたよ。電話も来てたかも。……もしかして、本部長から?」

さすが、日野さんは察しがいい。
私が苦笑いをした後で枕に顔を沈めると、うつ伏せで雑誌を開いていた日野さんも、ベッドの上からこちらへ顔を見せた。

「本部長、何だって?」

そう聞かれ、私はやっと詳細を開く。

【今、どこにいる?】
【電話出て】
【直接話さないと伝わらないことなんだ。逃げないで、真夏】
【とりあえず家に行くから】

ひとつひとつ読んでいくと、切なくて胸がいっぱいになった。絢人さん、私のこと探してくれてるんだ。

私はとりあえず、これらのメッセージだけを出して、ベッドの上の日野さんに向けて画面を見せた。
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