御曹司様の求愛から逃れられません!
「お、おおお……で、こうなったのは、どゆこと?」

さらに疑問が広がった彼女に、私はひとつずつ、今までのことを話した。

大学時代のことから、金曜日に関係を持った話まで、全て。
婚約者を見た件はもしかしたらオフレコかもしれないが、泊めてもらって迷惑をかけた恩があるため、他言しないと約束してもらって、日野さんには話した。

日野さんは時折顔をしかめたり、驚いたりしながら、丁寧に聞いてくれた。

「……なるほどねぇ、じゃあ今、園川さんは本部長から逃げ回ってるわけだ。本部長のことが好きで、その婚約者の方が大切だから別れようって言われるのが怖いから」

綺麗にまとめてくれた彼女に、「おっしゃるとおりです」とうなだれた。
言葉にされると、頭の悪い行動すぎて恥ずかしくなる。日野さんも私のことバカだと思ってるかな……。

「うーん、じゃあ、とりあえず。ひとつずつやるべきことからやっていこう。まずは連絡。これは今すぐ」

彼女は指を一本立てた。

「連絡?」

「本部長に、今日は自宅に戻らない旨だけはちゃんと連絡してあげないと。一晩中家の前で待ってるかもしれないよ」

「あっ……そ、そうだよね!」

そんな簡単なことに頭が回らないなんて、やっぱり私は冷静じゃない。
彼女に言われたとおり、まずは本部長に返信をした。

【すみません。今日は自宅に戻りません。お話は、また今度お聞きします】

一度内容を確認してもらい、日野さんのゴーサインが出されてから送信した。
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