御曹司様の求愛から逃れられません!
「……ごめんなさい。少し、考えたいです」
『真夏……? 真夏っ!待てって!!』
私はこれ以上揺らがないよう、電話を切った。折り曲げて抱えた膝に顔を付け、日野さんの手を握る。
彼女は握り返し、頭をポンポンと撫でてくれた。
「良かったの?聞かなくて。……本部長、必死だったじゃん。きっと真夏のこと好きなのは本当だと思う」
私は顔を隠したまま、コクコクと頷いた。
「それでも、私には無理だと思う。絢人さんは昔から白黒はっきりしてて、難しいこともすぐに判断できる人だった。……あのころの絢人さんを知ってるから、今の彼の言葉が全部嘘に聞こえるの。私のことも、婚約者のことも、ふたつ同時に進めようとするなんて彼らしくないよ。……今は、それについていけそうにない」
それとも、彼は恋愛については、いつもこうなの?
ならなおさら、私の手には負えない人だ。
「園川さん……」
「ごめんね。もう寝ようか。きっとそのうち向こうも私のこと忘れて、なかったことになると思う。……心配かけてごめん」
それがずっと怖かったのに、絢人さんの口から不安定な言葉ばかりを並べられた今では、忘れることで楽になれる気がした。
もしかしたら明日も会社で顔を合わせるかもしれないけど、今は何も考えたくない。
もう、これ以上傷つきたくないから……。
『真夏……? 真夏っ!待てって!!』
私はこれ以上揺らがないよう、電話を切った。折り曲げて抱えた膝に顔を付け、日野さんの手を握る。
彼女は握り返し、頭をポンポンと撫でてくれた。
「良かったの?聞かなくて。……本部長、必死だったじゃん。きっと真夏のこと好きなのは本当だと思う」
私は顔を隠したまま、コクコクと頷いた。
「それでも、私には無理だと思う。絢人さんは昔から白黒はっきりしてて、難しいこともすぐに判断できる人だった。……あのころの絢人さんを知ってるから、今の彼の言葉が全部嘘に聞こえるの。私のことも、婚約者のことも、ふたつ同時に進めようとするなんて彼らしくないよ。……今は、それについていけそうにない」
それとも、彼は恋愛については、いつもこうなの?
ならなおさら、私の手には負えない人だ。
「園川さん……」
「ごめんね。もう寝ようか。きっとそのうち向こうも私のこと忘れて、なかったことになると思う。……心配かけてごめん」
それがずっと怖かったのに、絢人さんの口から不安定な言葉ばかりを並べられた今では、忘れることで楽になれる気がした。
もしかしたら明日も会社で顔を合わせるかもしれないけど、今は何も考えたくない。
もう、これ以上傷つきたくないから……。