俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
人間とは不思議な生き物だ。言葉がどんなに難しい他国の言語でも、罵られていれば何を言われているか大体予想できるからだ。

足が止まる。何も言い返せない。

婦人たちの視線だけではなく、多くの貴族の視線が俺に突き刺さり始めた。

その時、店のドアが開きリリーが顔を出した。リリーが現れたことで、俺の心は少し軽くなる。

しかし、すぐに異変に気がついた。リリーの顔にいつもの笑顔はない。そこにあったのは、激しい怒りだった。

リリーは俺の横を通り抜け、未だに俺を嘲笑っている婦人たちに近寄る。そして、タンバリー語で婦人たちに何かを言い始めた。

婦人たちは最初は食ってかかっていたが、リリーの言葉に次第に落ち着きがなくなっていった。やがて俺を睨み付けると、足早にその場を去っていった。

「ごめんね、大丈夫だった?」

しばらくしてから、リリーが俺に訊ねる。そこにはいつもの笑顔があった。そう、まるで太陽のような笑顔ーーー。

「ああ……」

俺はリリーの笑顔に安心しながら答える。
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