俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
オーナーの息子が合図を送ると、緞帳がゆっくりと上がっていった。

「世界平和対策本部の皆さんです!」

このオペラの監督が言う。客席から歓声が響き、俺やみんなの耳に届いた。

客席から舞台を見るのとはまた違った景色が、目の前に広がっていた。客席に座る誰もが、舞台の上に立つ俺たちを見つめている。

「対策本部の議長のリーバス・ヴィンヘルムさん。何か一言お願いします」

監督からマイクを渡され、俺は頭の中で繰り返した言葉を話す。

「ええ〜…我々世界平和対策本部は、戦争の終結に向けてこれまでに平和に向けた会議を重ね、イベントを作ってきました」

客席の人々の顔が真剣になる。その態度に安心し、俺は話を続けた。

「私は他国などに行ったことはなく、学校などで名前を聞いたことがあるだけでした。しかし、この対策本部で議長となってから、他国のことを知り自分の世界が広がったのです」

敵国のことや、同盟国のことを知り、ドリス国にはないものを見たり聞いたりしていくうちに、自分の世界が知らないうちに広がっていた。

関わることが一生ないだろうと思っていた貴族と関わり、そして今はその貴族に対して特別な何かを抱いている。きっと、これはーーー……。
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