優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。

全学年で運動会テーマの絵をモザイク画で描いて、その土台の上から飾るんだ。


一人20センチの四角形の紙に百個のモザイクタイルが印刷されているので、その百個のタイルを指定通りに色を塗るだけ。
もうすでに三年生は提出済みだ。

「二年―、危ないからそっちに寄って」


でも、なぜその土台を立てているのが、優大くん?
近づいてみてみると、軍手をつけて骨組みを組み立ててるのは、優大くんとうちのクラスの男子ばかりだ。

「先輩、すいませーん」
「んー。大丈夫だから、下がって」


優大くんは、脚立の上に乗って下から渡された枠を慣れた手つきで組み立てていく。
二年の生徒会は女子が多いせいか、三年生が自主的に手伝ったのかな。
二年生の黄色い声援にまんざらでもなさそうに、他の男子たちも手伝っている。

「図書室で勉強中にすいませんでした。何か飲み物いりませんか?」
「大丈夫だってば。運動会、俺も最後で楽しみだからよお」
「お前、転校する癖に運動会出るつもりかよ」
「うるせえよ」


 楽しそうに言い返しているけど、優大くんはまだあきらめてないんだよ。
私も、彼の気持ちが傷つかない方を望んでいる。
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