優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。




一学期最後の期末テストが始まる。

この最後の日に、優大くんのお別れ会と向日葵展に行く。

そして次の日には、彼はこの町からいなくなってしまうんだ。
二学期の運動会は、彼が居ない。二学期の文化祭も彼はいない。

違う場所で、それでもきっと彼ならば太陽のように笑うんだと思う。

寂しいけど辛いけど、笑わない方が嫌だから、彼がどんな場所でも咲き乱れるように祈るばかりだった。

図書室で窓の外の空の色が変わるまで勉強したこと、私はずっと、ずっと忘れない。

窓際で一人、プールの水の揺れるのを見ていても、ふと彼の方へ視線を向けると彼も視線を向けてくれる。

ガンガン近づいてくるけど、空気を読んでからかわれない範囲で一緒に時間を過ごそうとしてくれて、教室は居心地がよくなった。

 下を向いてばかりだった私は、彼のおかげで顔を上げ他の人たちのことも見れるようになった。
 それは全部彼のおかげ。繊細で優しくて、感受性豊かな彼が私を見つけてくれたからだ。
 ああ。いつまでも一緒に居たいよ。もっと同じクラスに居たいよ。

 大人になんて、なりたくない。

 零れ落ちる本音を何度も拾いながら、テスト1日目が幕を開けた。
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