優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。




「えええ。ありえないわ、今回、全教科、優大に負けてしまった」


 推薦入試だからと余裕ぶっていた紗矢だったけど、返ってきた順位表に嘆息している。
 優大くんは二年の期末で下から三番目だったって自慢していたし、中間テストはほぼ赤点だった。

 そんな彼が、39人中18番の成績になったから皆が驚くのは無理もない。

 しかも優大くんは、隠すことなく自慢していたからほぼクラスの皆が知っている。
 織田先生もこれには驚いていた。


「まあ引っ越しがかかっていたら一位を本当に取ってやるとこだったんだがな」


 なんて余裕のコメントで、受験にピリピリしていた友達数人から本気で叩かれていた。
 私も、優大くんに教えていたおかげで成績が上がっていた。クラスで9番。80人中、14番だ。

家庭科室へ移動していると、下駄箱に百合ちゃんが立っていて、こちらを見て駆け寄ってくる。
「百合ちゃん」
「テストお疲れ様です」
 手に持っていた紙を二枚渡しながら、私と紗矢に礼儀正しく挨拶してくれた。

「部長、これですよ、これこれ、パンフレットです」
「これ」
「ひまわりの美術展です。優大先輩にも渡しておいてくださいね。13時に駅前に集合です」
「ありがとう。またあとでね」
「はい。約束通り、ワンピースで行きましょうね」

手をぶんぶん振りながら陽気に帰っていく。
テストが終わって浮かれているのが百合ちゃんらしくてかわいかった。

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