優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。
「蕾、私と一緒にもやしの根っこ取り係になろうよ」
紗矢がエプロンと三角巾をつけながら、もやしの袋を持ってきた。
「え、男子がもやしの根っこなんてとらなくていいって言ってたよ」
「だってこの大人数だよ。しかも料理はほぼ男子。女子はメッセージカード作成とかでしょ。暇じゃん」
することがないよりは、手を動かしたいらしい。
なので、優大くんが卵の両手割りに挑戦している間、私と紗矢はもやしの根っこをぷちぷちと取る。
「優大と、遠距離すんの?」
「えっと、……はい」
思わず真ん中からもやしを引き裂いてしまったが、誤魔化すようにボウルの中へいれた。
「あんたと気まずくなりたくないから言うけど、1年の時に優大に振られてんの」
「え! 紗矢ちゃんが!?」
私の数倍可愛くて性格もよくて、友達も多くて下なんて絶対に向かない紗矢ちゃんが?
絶対に一緒にいて楽しいのは紗矢の方なのに。
「友達と遊ぶ方が楽しいし、紗矢はずっと友達でいてほしいし、男とか女とかで関係変えたくないって、酷くない?」
「うん。酷い。紗矢ちゃんは本気だったのに、全く恋心を理解していないっ」
「そうよ。それなのに、3年になって、いっつも蕾を目で追うの。ああ、こいつ、見る目あるじゃんって脱力しちゃった。蕾の良さを分かるなんて、やっぱあいつは良い男だわ」