【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし


「ポロロ~ン!」

スマホが軽快な音を鳴らし、メールが届いたことを知らせる。

「愛川先生?」
「たぶん」

慌ててスマホに手を伸ばし、画面を確認した。

『駐車場に着いた。どこにいる?』

その画面を乙葉さんに見せると、ふたりで顔を見合わせてクスッと笑った。

「蘭子、愛されてるね~」
「そ、そうですか?」

真澄さんから来たメールの、どこに愛されてる感があるのか。わたしには全くわからないけれど。そんな直接的に愛されてるなんて言われて、照れて赤くなっているだろう顔を隠すように背を向けた。

「ここに呼んでもいいですか?」

頷く乙葉さんを確認すると、真澄さんに素早くメールを返す。

「なんか緊張するね」

いつも堂々としている乙葉さんにしては珍しく、そわそわしている姿に笑みが漏れた。

「乙葉さん、しっかりしてください。じゃないと、あの真澄さんには勝てないですよ」
「勝てないって、もともと争うつもり無いんだけど」

乙葉さんが苦笑してそう言った時、店の入り口に真澄さんの姿が見えた。

「真澄さん、こっちです」

立ち上がり手を振りながら彼を呼ぶと、わたしに気づいた真澄さんがホッとした顔をしてわたしたちの席まで来た。

「愛川先生、こんばんは。今日は蘭子をお借りして、すみませんでした」

すっくと立ち上がった乙葉さんはそう言うと、ペロッと舌を出しておどけてみせる。


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