【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「こんばんは。なんだ蘭子、真木野さんに話したのか?」
「……はい。と言うか、わたしの態度がおかしいからって尋問されて」
わたしも立ち上がり、すみませんと小さく頭を下げた。
「で、バレたってとこか?」
コクンと頷く。
「まあ俺は誰にバレても、なんの問題もないけどな」
そうなんだ──
心の中で呟くと、乙葉さんを見て肩を竦めた。
「ところでみなさん、立ち話もなんですから座りません?」
乙葉さんにそう促され、それもそうだと椅子に座る。もちろん真澄さんはわたしの隣に座り、当たり前のように肩を寄せた。
外でこんな風に座るのは初めてで、触れ合う腕にドキドキしてしまう。ちらっと真澄さんを見るが、舞い上がっているのはどうもわたしだけみたいだ。
大人だな──
比べても仕方がない。そうわかっているのに、子供な自分に情けなくなってしまう。
「蘭子、どうしたの? 愛川先生に会えたのに、嬉しくないの?」
うつむき加減なわたしを見て心配したのか、乙葉さんテーブルの向こうから顔を覗き込む。こんなんじゃダメだと小さく深呼吸すると、笑顔で顔を上げた。
「乙葉さん、何言ってるんですか。嬉しいに決まってるじゃないですか!」
「え? 嬉しいに決まってるって。蘭子、もしかして俺のこと……」
「あ……いや、その……」
乙葉さんに聞かれて、つい本心を答えてしまった。いや、答えていけなかったわけではないが、今のこの状況って……。