【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
これで、もう安心。
ホッと一息ついていると、脱衣場にいる真澄さんがドアに近づいたのに気づく。
「夕飯の続きは俺がやっておく。ちゃんと温まってこいよ」
それだけ言うと笑い声とともに、脱衣場から真澄さんの姿が消えた。
「だったら最初から、そう言えばいいのに……」
ボソッと憎まれ口をたたくと、風呂に入るために服を脱ぎ始めた。
風呂から上がりリビングへ行くと、煮込み途中だったコンソメスープは仕上げられていて、テーブルの上へと運ばれていた。帰りに買ってきたパンも、いい感じに温められている。
「髪はちゃんと乾かしたか?」
キッチンから出てきた真澄さんはわたしの髪を一房掬うと、それ確認するように口づけた。
「蘭子の香りがする」
わたしと真澄さんは同じシャンプーを使っている。それなのに『蘭子の香りがする』なんて、真澄さんったらおかしな人。
クスッと笑みを漏らすと、なんで笑っているんだと言うように、わたしの耳朶を甘噛する。急な刺激に身を捩ると、「笑っていられるのも今のうちだ」と耳元で囁かれた。
──今の、何?
パッと顔を上げてみれば、真澄さんは普段どおりの涼しげな顔で、食事の準備をしている。
「そんなところで立ってないで、さっさと座れ」
「え? は、はい」
言われるがままに席に着くと、眼の前の真っ白なスープ皿に透き通ったコンソメスープが注がれた。ふわりと白い湯気があがり、ダイニングに芳香が漂う。