【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「誕生日といったらプレゼントだろ。蘭子からプレゼントが欲しい」
そ、そうか! 確かに誕生日といえばプレゼントがつきものだ。でも如何せん、真澄さんの誕生日を知ったのは二分前で。プレゼントなんて用意してあるはずがない。
まだ頬は包み込まれたままで、伏し目がちに言葉を紡ぐ。
「ごめんなさい。真澄さんの誕生日、今知ったばかりで、プレゼント用意してなくて……」
真澄さんのためのプレゼントはある。でもあれはクリスマスのために用意したもの。包み紙もそれ仕様だし、なんだか急にこしらえたようで申し訳ない。
自分のダメさ加減に小さく息を吐くと肩を落とす。目には涙まで滲んできてしまった。
「蘭子」
優しく囁いた真澄さんは、左手にはらりと落ちたわたしの髪を耳にかける。と、顕になった頬に唇を押し当てた。
「泣かすつもりはなかったんだけどな。でも可愛い」
頬にある唇をそのまま滑らし、真澄さんはわたしの目尻に溜まった涙をチュッと吸い取る。その仕草がくすぐったくて首を窄めると、腰に手を回し入れた真澄さんが、わたしの体をグッと引き寄せ抱きしめた。
「ま、真澄さん。わたしは可愛くなんか──」
「蘭子は自覚がなさすぎる。病院の先生たちが、お前のことを狙ってるの知らないのか?」
「へ?」
ピシャリと言葉を遮られ、ポカンと口を開く。
そんなこと全然知らない。初耳だよ、初耳。それ誰かと間違った情報じゃない?