【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
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「悪かった」

私の言ったことを理解したのか、真澄さんの頭をやわやわと撫でているわたしの手に、自分の手を重ねる。そのまま手を掴むと顔の前へと移動させ、手の甲にチュッとキスをした。

「そんな、王子様みたいなことをしたってダメですから」

無理な体勢をさせられたからか腰は痛いし、何度も打ち付けられた下腹部はヒリッした違和感が残ったまま。これが幸せの痛み──なんだろうけれど、彼の余裕ある顔を見ていたら一言文句を言いたくなってしまった。

でも真澄さんはそんなふてくされるわたしを見て、ふっと微笑む。

「そう言うな。蘭子が俺に見せたことのない顔をするから、心のタガが外れてしまった。でも今晩は気をつける」

真澄さんは私の髪を撫でるように掻き分けると、唇にキスをする。それはすぐに口内に忍び込み舌を絡め、まるでわたしの心の中を探るように口の中を動き回る。絡ませた舌を吸い上げられ、気持ちよさから甘い吐息を零れそうになるが、ふとあることに気がつく。

今晩は気をつける──

真澄さん今、そう言わなかった? キスに夢中で何げに聞き流していたが、今晩、何があるというのだろう。


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