【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

さっきの田所先生のこともあってか、真澄さんのことを“あの人“と気遣ってくれる、乙葉さんの気持ちが嬉しかった。

「し、幸せな時間、でしたよ。でも、やっぱりこの手の話は、相手が乙葉さんでも恥ずかしいです」

何もかもが初めての経験で、何をどこまで話したらいいのか、さっぱりわからない。それでも信用している乙葉さんにならと思っていたけれど……。

「恥ずかしいか。ま、そういうとこが蘭子らしいというか、可愛いんだけどね。で、今晩のクリスマスイブのご予定は?」
「仕事が終わったら買い物に行って、ふたりでクリスマスディナーを作る予定です」

真澄さんは特別な日だからと、どこか予約して外食でもいいと言ってくれた。けれどあまり外での食事が好きではない真澄さんは、大勢の人で賑わうところへ連れて行くのは忍びない。だったらふたりでゆっくりできるところが一番いいと、マンションで過ごすことに決めた。幸いなことに、ふたりとも料理をすることが苦ではない。

作る時間も、ふたりで楽しむ──想像するだけで楽しい。

乙葉さんが前に座っているのも忘れて、ムフフと笑ってしまう。

「なんだか楽しそうね。その笑いは、ちょっと不気味だけど」
「不気味って、乙葉さんひどい!」

頬を膨らませ怒った顔を見せていると、小さなバッグの中のスマホがブルブルと震えているのに気づく。


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