【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「乙葉さん、ちょっとすみません」
バッグに手を伸ばし、スマホを手に取る。
「メール? 噂の彼からじゃないの?」
「ですかね」
スマホをタップしてディスプレイを確認すると、乙葉さんの言う通り、真澄さんからのメールが届いていた。
「なんだろう」
仕事が終わったら連絡してと言われていたが、昼のこの時間にメールが来るなんて。何かあったんだろうか。
首をひねりながら真澄さんからのメールを開く。
その内容を見て言葉をなくしていると、乙葉さんは怪訝そうな顔をして私の顔を覗き込んだ。
「蘭子? 誰からだったの?」
「え? あ、はい、彼からでした」
「なんだって?」
「実家のご両親から緊急の呼び出しがあって、仕事が終わったらまっすぐそちらに行くそうです。帰りは遅くなるから、先に寝てていいって……」
笑ってそう乙葉さんに伝えたが、うまく笑えているだろうか。
天国から地獄──は言いすぎかもしれないけれど、今のわたしはそんな気分だ。