【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「もし希望するなら、俺が口移しで食べさせても……」
「結構です!」
「即答かよ。でもまあ、その元気があれば大丈夫だな」
運転席からすっと伸びてきた手が、わたしの頭を撫でる。
「その痛みを代わってやることはできないが、そばにいて緩和してやることはできる」
「緩和?」
「なんのために俺がいると思ってる。遠慮なんてするな、どんな時も全力で甘えればいい」
「はい。ありがとうございます」
頬に当てているわたしの右手に、頭の上にあった真澄さんの手が滑り降りてくる。ギュッと手を握られると、彼の優しい気持ちが温かさとなって伝わってきた。
「買い物して、早く帰るぞ」
「はい!」
そんな些細なことで、抜歯の痛みが少し和らぐ。真澄さんの手は、魔法の手かもしれない。