【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

少なくても二、三日は痛むだろうと言われていた抜歯の痕も、幸いなことに翌日にはかなりよくなっていた。『免疫力の違いなのか、人によって症状がかなり違うな』と、真澄さんも驚く回復力らしい。

痛みに耐えながらの年越しも覚悟していただけにホッと一安心。真澄さんに抱きついて大喜びしてしまった。

これなら正月を迎える準備ができる!と張りきっていたら、『まだ治ったわけじゃないから年越しの準備もほどほどに』と真澄さんに言われてしまった。

でも、そうは問屋がおろさない。

お世話になりっぱなしじゃ真澄さんに申し訳ないと、エプロンを付け腕まくりをする。真澄さんは男性にしては掃除が好きで、部屋の中はどこもさほど汚れていない。でも“鬼のいぬ間に”ではないが、キッチンとダイニング、リビングは念入りに掃除をした。

その鬼……じゃなかった。真澄さんはというと──病院が休みに入った今日も、実家に行っている。クリスマスイブの日に行ってからというもの、ちょくちょく呼び出されているようだ。


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