【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
最初こそ、本当に実家に行っているのかと疑うこともあったが、今はもうそう思う気持ちはどこにもない。
真澄さんのことを信じる──。
そう自分で決めると、心の中がふっと軽くなった。疑ったって、ひとつもいいことはない。ひとり落ち込むだけだ。
遅くならないように帰ってきてくれるし、毎日愛してくれる。まあ“毎日”のことに関しては、もう一度話し合いが必要な気もするけれど。
明日は大晦日。突然慌ただしくなってしまった年末も、終わりを告げようとしている。
火事でアパートに住めなくなった時は途方に暮れたけれど、まさか真澄さんと暮らすことになるなんて。しかも彼から愛の告白を受けて、今では彼女として幸せな時間を過ごしている。
「夢、じゃないよね?」
ありきたりだが頬をつねってみれば、当たり前に痛い。どうやら現実みたいだ。
と、頬をつねったせいか、抜歯したところがズキンと痛む。
「あ、薬飲むの忘れてた」
やばいやばい、真澄さんに怒られる──ダイニングに急ぎ、処方された薬の入った小さな袋を手にすると、そばにあったスマホがメールが届いたことを知らせた。
このタイミング……。
嫌な予感にスマホをタップする。