【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「あけましておめでとうございます」
年が明けた、初出勤の月曜日。
病院内のあちらこちらで、年始の挨拶が繰り広げられている。例に及ばずわたしも受付スタッフに挨拶していると、園枝さんが歩いて来るのを見つけて小走りに駆け寄った。
「園枝さん。あけましておめでとうございます。今年もよろしく……」
「何、堅苦しい挨拶してるのよ。はいはい、あけましておめでとう。今年は顔出せないって連絡もらった時は驚いたけど、お友達とはいい年始を迎えられた?」
愛華総合病院で働くようになってから、園枝さん家族と過ごすことが定番になっていた。園枝さん夫婦にはお世話になっている。お礼も兼ねて今年も行くべきが悩んだが、真澄さんと一緒に過ごすことを選んだ。しかも嘘をついて。
『園枝さんのところへ行きたい』と真澄さんに言っても、彼はダメとは言わないだろう。