【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

翌日──。

「ほんとに、ひとりで大丈夫か?」

ポンッと頭の上に手を乗せて、真澄さんがわたしの顔を覗き込む。

「役所に書類取りに行くだけですよ? 大丈夫に決まってるでしょ!」

病院に提出する必要書類を市役所に取りに行くだけ。子供でもできるお使い程度のことなのに、心配するにも程がある。

真澄さんは時々、わたしのことを子供扱いする。彼から見たら子供かもしれないが、こうもあからさまに心配されると面白くない。

「早く行かないと遅刻しちゃいますよ」

このままでは一緒に行くと言いかねない。玄関のドアを開けると、彼の背中を押す。

「何かあったら、すぐに連絡……」
「心配するようなこと、何もありませんから! 真澄さん、いってらっしゃい」

背の高い彼の両肩を掴むと、少し背伸びをして自分から唇を重ねる。驚いた顔をして突っ立っている真澄さんに微笑みかけ、バタンとドアを閉めた。

ちょっとかわいそうな気もするけれど、結果オーライ。これ以上時間を引き伸ばしたら、本当に遅刻してしまう。ベランダに移動して真澄さんの車が駐車場から出ていくのを確認すると、「さあ、始めますか」と腕まくりをする。

今日のわたしは午後からの出勤。朝食の片付け、洗濯に掃除。それが終わったら役所に寄って、そのまま病院に行く予定だ。

やることは盛り沢山だが、平日のこんな時間もたまにはいい。

足取りも軽くキッチンに向かうとお気に入りの歌を口ずさみ、食器洗いをはじめた。




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