【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「お疲れ様です」
午前の受付を終えスタッフが休憩中を狙い、スタッフルームに顔を出す。と、何かあったのか、いつにも増して騒がしい。女子が集まれば賑やかになるのは常だが、これは常軌を逸している。
情報ツウの乙葉さんなら、きっと何か知っているだろうと姿を探すがどこにも見当たらない。もしかしたら食堂かと踵を返すと、そばにいた女性の話し声が耳に届いた。
「もうわたしショックだよ、愛川先生が結婚するなんて。しかも彼、院長の息子だったとか。って言うことは次期院長だよ。もっとプッシュしておけばよかった~」
耳を疑うような話に、足が止まる。
愛華総合病院に“愛川先生”は、真澄さんひとりしかいない。その愛川先生が結婚? しかも院長先生の息子? それって一体、なんの話?
私は真澄さんからプロポーズなんて受けてない。結婚の“け”の字も聞いたことがないし、話をしたことだってない。いずれそうなったら嬉しいなぁとは思っていたけれど、話を聞いているとどうも相手はわたしじゃない……よね。
胸がバクバクと息苦しい。なんとか気持ちを落ち着かせようと胸元を押さえるが、鼓動は収まるどころか速くなっていくばかり。