【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「電源の入れ方知らない? だったら俺が……」
「え? あ、田所先生、ちょっと待って!」
スマホを取り返そうと手を伸ばす。が、その途中で電源ボタンを押されてしまった。
「はい、これでよしっ」
「先生。何が『よしっ』なんですかぁ……」
田所先生からスマホを返され、がっくり肩を落としながらディスプレイを見つめる。久しぶりに見る待受画面に、なぜかそわそわ落ち着かない。
きっとすぐに、真澄さんから電話が掛かってくる──。
予感……ううん、もっと確信的なものを感じて、スマホを持ったまま身構えた。
と、次の瞬間!
待ってましたと言わんばかりに、スマホから聞き慣れた音楽が流れる。この曲はもちろん……。
「真澄、さん……」
ゆっくり視線を上げれば、田所先生がニヤニヤと笑っている。
「田所先生、悪い顔してますよ」
「悪い顔? こんなイケメンなのに?」
顎に手を当て決めてみせる田所先生に、クスッと笑うと肩の荷が下りる。
「ほら。早く出ないと、あとが怖いよ?」
確かに。
真澄さんは気が長いほうではない。スマホから流れている音楽の音が、大きくなっているように感じるのはわたしだけだろうか。恐怖心から息を飲む。