【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
震える指先でディスプレイをタップすると──。
『今どこにいる?』
「え?」
いきなり、それですか?
『早く答えろ。今、どこにいるんだ?』
「どこって、カフェですけど……」
久しぶりに聞く真澄さんの怒るでもなく、かと言って優しいわけではない声に、涙が溢れそうだ。声だけでは感じ取れない真澄さんの感情に、スマホを持つ手が小刻みに震える。
『ひとりか?』
「えっと、それは……」
ディスプレイから目線を上げ、田所先生を見る。
田所先生と一緒にいると言っていいのか悪いのか。見つめたまま困っていると、電話の向こうから盛大なため息が聞こえてきた。
『真司も一緒なんだな。まったくあいつは……』
「わたしと真澄さんのことを心配して来てくれたん、です」
やっぱりご立腹のようで、語尾が小さくなってしまう。
『わかってる。別に怒ってるんじゃない、心配するな。もう近くにいるはずだ。そこの場所を教えてくれ、迎えに行く』
迎えに……。
こんなことになる前なら喜んだであろうその言葉も、今となっては複雑で。会ってちゃんと話をしようと決めたのに、どんな顔をして会えばいいのか……。