【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
眼の前で笑っている田所先生に、悩んでいるのがバカバカしくなってくる。
どうなることやら。こればかりは、私ひとりではどうにもならない。
一度気持ちを整えるため、カフェオレボウルを両手で包みそれをひとくち飲む。ふわっふわのシフォンケーキを頬張ると、その柔らかさと程よい甘さが疲れきった心に落ち着きをもたらした。
「美味しい……」
この後に待っているだろう想像もできない現実に、目をそむけるかのようにもう一口食べようと口を大きく開き、頬張りかけた──その時。
カフェのドアが大きく開かれ、中へ入って来た人の姿に時間が止まる。シフォンケーキがフォークからこぼれ口の中に落下すると、咀嚼するのも忘れそのままゴクリと飲み込んだ。
「うぅっ……ゴホッゴホッ!!」
当たり前のようにシフォンケーキが喉につまり、その苦しさにむせ返る。慌ててコップの水を取ろうとして、先にそれを誰かに奪われた。
「ゆっくり飲めよ」
目線を上げれば、穏やかに微笑む真澄さんの顔。その笑顔にコクリと頷くとコップを受け取り、水をゆっくり喉に流し込んだ。
水をたっぷり吸い込んだシフォンケーキはサラリと喉に滑り落ち、息苦しさが解消されると「ふう~」と大きく息を吐く。