【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

食器棚からコップをふたつ取りだし綺麗に洗う。美智子おばちゃんの家から持ってきたタオルで水滴を拭き取ると、それを手に居間へと戻った。

ここに来る途中コンビニで買ったお茶をコップに注ぐとひとつを真澄さんへ渡し、座卓を挟んで彼の前に座った。

「真澄さん、ごめんなさい」

自分でも驚くほど早く、詫びる言葉が口をついて出る。真澄さんも、まさか私から謝りの言葉が出てくると思っていなかったのか、その表情は驚きを隠せないようだ。

「なんで蘭子が謝る? 悪いのは全部、俺なのに……」
「どっちが悪いかはわからないですけど、スマホの電源を切って連絡手段を断ったのは良くなかったと反省してるんです。田所先生に言われました。何も言わず何も聞かず逃げるのはよくない、まずは真澄さんと会ってしっかり話をしろって」
「真司がそんなことを。全く俺という男は、なんて情けないんだろうな。三十にもなって親友にそこまで迷惑をかけるなんて……」

座卓に両手をつき項垂れる真澄さんの手に、自分の手を重ねる。それを優しく包み込むと、ゆっくり口を開いた。


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