【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
やっぱり怖い……。
勝ち気な思いと臆病な心、ふたつが同時に顔を出す。
最初こそひしめき合っていた気持ちも、臆病が勝ると不安な心から固く目を閉じた。
「蘭子。顔を上げて、俺にちゃんと見せてくれ」
今わたしがしているであろうダメな顔は、たとえ相手が真澄さんだとしても見せることはできない。嫌だと駄々をこねるように顔を何度も横に振り、その意志が固いことを真澄さんに伝える。
「わかった。蘭子がそう来るなら、こっちから出向くまでだ」
え? 出向くってどういうこと?
パチリと目を開け、そんなことをゆっくりと考える。と、向かい側から座布団の擦れる音が聞こえ、何事かと顔を上げた。
「え……キャッ!!」
眼の前に座っていたはずの、真澄さんの姿はそこにはなく。無防備だった背中側から伸びてきた逞しい腕に、強く抱きくるめられてしまった。
体はキツく抱かれていて動かせない。自由が効く首だけ少し後ろに回すと、真澄さんの視線とぶつかる。不満を漏らそうとして開けた唇を、間髪入れず塞がれた。