【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「さてと、冗談はこのくらいにして。本題に入るか」
「冗談って……」
そんな単純な言葉ひとつで、片付けられてしまうとは……。
やっぱり真澄さんには敵わない。
ここは諦めて話を聞こうとするが、腕の力は緩められたとは言え、まだわたしは真澄さんの腕の中。この状態は、話をする体勢ではない。
「真澄さん、ちゃんと話をしましょう。離してください」
ここは強気に限ると、いつもより幾分、声の感じを低くする。
「そう、だよな」
普段あまり出さないわたしの低音ボイスが効いたのか、真澄さんは素直に腕をほどいた。
やればできるじゃない──と思ったのは内緒。
真澄さんと向かい合い、真剣な眼差しで彼を見つめる。真澄さんもそれに応えるように、わたしと対峙した。
「まず最初に、いちばん大切なことを言っておく。俺は蘭子以外の女性と、結婚するつもりはない」
「え、えっと。あの、それって……」
「プロポーズ、とまでは言わないが。予約だ」
「プロポーズの予約? そんなの、聞いたことないんですけど」
「蘭子に結婚の申し込みするのは、ここでと決めている場所がある。だから今は予約と言うか仮契約だ」