【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
冗談のつもりじゃない、ちょっとした嫌味です。心の中でつぶやいて、少しだけ憂さ晴らしました。
なんて。
自分のしていることが面白くなって、ふふっと笑いがこみ上げる。
「ずいぶんと余裕あるじゃないか」
「え? 余裕……」
余裕、とは違うと思うけれど、気持ちは少し楽になったかもしれない。
でも目の前にいる真澄さんは、何か面白くないことがあるのか、憮然とした表情でわたしを見ている。
あれ? わたし、何かした?
もう一度、上目遣いで真澄さんを見たら、バッチリと目が合って体がビクッと跳ねる。
「なあ。ちょっと場所変えてもいいか?」
「場所? う、うん、いいですけど」
すっくと立ち上がる真澄さんを見て、わたしも慌てて立ち上がる。
突然何を言うかと思ったら、場所を変えるって。一体どこに行くつもりなんだろう。
慌てて戸締まりをし、何も言わずズンズン歩く彼の後について行くと、外に停めたあった真澄さんの車へと乗り込んだ。
「あ、あのぉ……」
「何?」
「話はまだ終わってないと思うんですけど、どこに行くんで……」
話している途中でチラッと目を向けられて、その鋭い視線に口をつぐむ。
「着いたら話す」
「は、はい。わかりました」
少し楽になっていた気持ちは、一瞬にして元に逆戻りしてしまった。