【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
* * *
待つこと四時間──時計は午後の六時を回っている。
ダイニングとキッチンの片付けは終わり、出かける準備も整った。もう特にすることはない。手持ち無沙汰で真澄さんの帰りを待っていると、玄関のチャイムが鳴った。
「は~い」
人というのはどうしてチャイムが鳴ると、自分の家でもないのに返事をしてしまうのか。
「奥さんでもないのにね」
ぺろっと舌を出し苦笑すると、玄関へと向かった。
待っていた時間が長く退屈だったからか、相手が真澄さんとわかっていても、否応なしに気分が上がる。
「待たせて悪かった」
開口一番、真澄さんはそう言うと、上がり框で待っていたわたしの体を抱きしめた。彼からほんの少し、病院の消毒の匂いがする。優しく包み込むように抱かれ、その温かさに身を任せた。
……なんて。彼女でもないのに、甘い気分に浸っている場合じゃない。
「真澄さん。わたし、どうして抱かれてるんですか?」
「ん? どうしてって、そんなこと言わないとわからない?」
頭上から聞こえてきた声と同時に、わたしを抱きしめている腕の力が強まる。身動きがしにくくなって、顔だけうんうんと頷いてみせた。
待つこと四時間──時計は午後の六時を回っている。
ダイニングとキッチンの片付けは終わり、出かける準備も整った。もう特にすることはない。手持ち無沙汰で真澄さんの帰りを待っていると、玄関のチャイムが鳴った。
「は~い」
人というのはどうしてチャイムが鳴ると、自分の家でもないのに返事をしてしまうのか。
「奥さんでもないのにね」
ぺろっと舌を出し苦笑すると、玄関へと向かった。
待っていた時間が長く退屈だったからか、相手が真澄さんとわかっていても、否応なしに気分が上がる。
「待たせて悪かった」
開口一番、真澄さんはそう言うと、上がり框で待っていたわたしの体を抱きしめた。彼からほんの少し、病院の消毒の匂いがする。優しく包み込むように抱かれ、その温かさに身を任せた。
……なんて。彼女でもないのに、甘い気分に浸っている場合じゃない。
「真澄さん。わたし、どうして抱かれてるんですか?」
「ん? どうしてって、そんなこと言わないとわからない?」
頭上から聞こえてきた声と同時に、わたしを抱きしめている腕の力が強まる。身動きがしにくくなって、顔だけうんうんと頷いてみせた。